アニメ『SHIROBAKO』ネット配信停止からみるパロディの扱い

第6話のネット配信中止の原因はパロディか!?
修正された第6話から今回の問題を探ります!!

SHIROBAKOの第6話のネットでの配信が一時中止される事態となりました。

6話は、作画の遠藤が3DCGに見せ場を奪われ(と勘違いし)仕事を放棄、しずかが声優のオーディションで失敗し恩師に励まされる、仕事を放棄した遠藤が、イデポン(イデオンのパロディ)の展示会で3DCG担当の下柳と意気投合し、自分の態度を見直し仕事に戻る、という内容でした。

◤【レビュー】アニメ『SHIROBAKO』第6話「イデポン宮森-発動篇」宮森GJ!!

ネットでは、問題となったであろう点が検討されました。
まず、最初に上げられたのは、しずかが恩師が監修する劇を見る場面で、『ゴドーを待ちながら』の稽古をしていた点です。実は、『ゴドーを待ちながら』の作者ベケットは、女性が演じるのを禁じていました。過去に市原悦子×緑摩子で『ゴドーを待ちながら』が上演されたことがあるのですが、著作権管理会社にばれて上演できなくなりました。ですので、SHIROBAKO6話も、それに倣ったのではないか、という事です。

もう一点は、イデポンです。作中で描かれているイデポンは、内容、メカのデザイン、BGMとも80年初頭のアニメ「伝説巨神イデオン」のパロディです。これが、引っかかったのではないか、と言う事です。

これより少し前に、アニメ妖怪ウォッチで、ピンクレディのUFOや孤独のグルメなどのパロディ満載の回があったのですが、こちらも配信停止となりました。パロディが多すぎて何が原因か解りませんが、配信の再開はされていません。

突っ込みどころ満載

あと、板野サーカスで知られる板野一郎氏のパロディとして、北野三郎というキャラを出した事に板野氏が激怒した、という憶測がありましたが、SHIROBAKOの円盤のスタッフコメンタリーに板野氏が参加する事が決定していますので、これはないでしょう。 そして、色々憶測が流れる中、SHIROBAKOの第6話のネットでの配信が再開されました。修正された点は、
・イデポン展で流れるイデオンぽいBGMが変更される
・『ゴドーを待ちながら』のセリフが変更『ゴドーを待ちながら』のパロディとなっていて、エンドロールに「ゴドーを待ちながら」が追加される
です。
つまり、ネットで推測された問題点と、修正された点がぴったり一致します。
『ゴドーを待ちながら』については、アウトになる基準が明確で、それにひっかかっているのですから、修正は当然かと思います。

イデポンのほうは、BGMが変更となっていることから、BGMの著作権団体がクレームをつけたものと推測されます。妖怪ウォッチもUFOがまずかったのかもしれません。
アニメは、パロディについては丸パクリでない限り寛容なほうですが、SHIROBAKOや妖怪ウォッチのように1つ間違えばお蔵入りとなる可能性もあります。コミックですが、「ハイスコアガール」というコミックが、ゲーム会社の承諾を得ずに作中にゲーム画面やキャラを登場させ、刑事告訴された後に家宅捜索を受ける事態となったこともあります。制作スタッフは、著作権というデリケートな問題に注意を払って制作してほしいところです。

SHIROBAKO 公式サイト
http://shirobako-anime.com/

[ライター:猪が鳴く頃に]

John Garema

John Garema